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<11月28日(水)、世界銀行カンボジアマネージャーのInguna Dobraja氏はより高い収入を得るために物的資本・人的資本を長期的に発展させていくべきだと話した。(写真提供:POST STAFF)>
 
11月28日(水)、世界銀行は、最新版の景気観測を発表し、今年のカンボジアの経済成長率は昨年を上回ると予測した。
 
半年に1回発表されている短中期的なマクロ経済の動向を発信する報告書である「The World Bank Cambodia Economic Update」によると、今年のカンボジアの経済成長率は7.1%に達する見込みだという。
 
今年の経済成長率は昨年の7.0%からわずかに上昇した。国内消費の増加と、米国やEU諸国からの需要急増による輸出の拡大が今年の経済成長を大きく後押ししたという。
 
前向きな見通しにもかかわらず、世界銀行のエコノミストはカンボジアにとって都合のいい「武器以外のすべての産品に対する無税・無枠措置(=EBA)」が撤廃される可能性や予測不可能な米中の貿易戦争による影といった外的リスクを警告した。
 
国内において、カンボジアが不動産建設部門で成長し続けるためには、財政部門に関連するリスクも考慮しなければならない。
 
世界銀行のシニアエコノミストであるSodeth Ly氏は「建物を保有したり、競争力を高めたり、近年の輸入の急増による急激な為替レートの切り上げを回避したりする一方で、カンボジアが最も優先すべきことは財政状態を安定に保つことである」と述べた。
 
2015年の一人当たりの国内総所得(=GNI)は1026ドル(約11万円)を突破し、1070ドル(約12万円)に到達したことを受けて、2016年に世界銀行はカンボジアの経済状況を見直し、低所得グループから低中所得グループへと階級をあげたという。
 
年間平均経済成長率が7%であるカンボジアの政府は2030年までには高中所得国、2050年までには高所得国へと成長すると予測している。
 
次の階級である高中所得グループへ到達するための基準は、一人当たりの国内総所得(=GNI)が現在の3倍以上の3896ドル(約44万円)に達することだ。
 
11月28日(水)、世界銀行のInguna Dobraja氏は、長期的な見通しは前向きなままだが、カンボジアはより高い収入を得るために物的資本・人的資本を長期的に発展させていくべきだと述べた。
 
「高中所得国へ到達するためには、カンボジアは人的資本やインフラへの投資を増加させ、持続可能かつ包括的な成長を実現させることのできる改革を採択していく必要がある」と同氏は語った。
 
「国内貯蓄の多くを投資に回すことは、高い経済効果を得るためには必要不可欠である」
 
また、世界銀行の報告書によると、景気環境の持続的な発展と同様で、製造業や農産品加工業への直接投資を増加させるためには、インフラ事業による赤字を一刻も早く克服する必要があるという。